『ライフ・イズ・ビューティフル』|最愛の息子へ優しいウソを
いらっしゃいませ。
「名作BAR」へようこそ。
バーカウンター越しに
今夜もあなたと素敵な作品との出会いを
お手伝いするマスターの MasterY です。
本日ご用意した名作は1999年に日本で公開された
心を激しく揺さぶるイタリア映画『ライフ・イズ・ビューティフル』。
想像を絶するような絶望の淵で、あなたは愛する我が子に「笑顔」を与え続けることができるでしょうか?
前半の陽気なコメディから一転
観る者の胸を締め付ける過酷な現実と
それでも輝きを失わない「愛」を描ききった
涙なしには観られない一杯となっております。
実はこの作品、私にとっては原田マハさんの小説
『キネマの神様』がきっかけで出逢うことになった
運命の一杯なのです。
名作との出逢いはいつも突然だからこそ
やめられませんね。

それでは、本日も「名作BAR」開店です。
作品のラベルはこちら
まずは、今夜ご提供する一杯の
基本情報からご紹介いたしましょう。
公開年:1999年(日本)
監督:ロベルト・ベニーニ
脚本:ロベルト・ベニーニ、ヴィンチェンツォ・チェラーミ
主なキャスト:ロベルト・ベニーニ、ニコレッタ・ブラスキ、ジョルジオ・カンタリーニ
上映時間:117分
ジャンル:ヒューマンドラマ

監督・脚本・主演の三役を務めたロベルト・ベニーニの才能には脱帽するほかありません。
最愛の息子へ優しいウソを(あらすじ)
1939年、イタリア。
陽気なユダヤ系青年グイドは、美しいドーラと恋に落ち
息子ジョズエにも恵まれ幸せに暮らしていました。
しかし、第二次大戦の影が忍び寄り
一家は強制収容所へ送られてしまいます。
そこでグイドは、幼い息子を守るため
とんでもない「嘘」をつき通すことを決意するのです。
…しかし、このあらすじだけでは
父グイドが貫いた「愛」の本当の重みは伝わりません。
これは涙なしには観られない
あまりにも切なく、美しい「魂」の物語なのですから…。
マスターのテイスティングノート
本作の味わいは、陽気なコメディと過酷な現実という
あまりにも強烈なコントラストの奥に隠されています。
なぜ父は「嘘」をつき通せたのか。
その絶望的な状況下で、どうやって希望を紡いだのか。

私が特に味わい深いと感じた「深み」を3点に絞ってご紹介させてください。
深み①:最愛の息子へ捧ぐ「1000点満点のゲーム」
「1000点集めると、戦車がもらえる」。
これは、父グイドが愛する息子ジョズエについた
あまりにも優しい「嘘」でした。
強制収容所という地獄を、息子に悟らせたくない。
そこで、持ち前のユーモアを武器に
「誰にも見つからずに隠れたら点数がもらえる」
というゲームをグイドは思いつきます。
このゲームこそが
ジョズエに「戦車に乗って家に帰る」
という希望を与えたのです。
深み②:極限で輝く「未来への目的」
強制収容所から生き残った心理学者フランクルは
強制収容所で生き延びる方法として
以下のように述べています。
強制収容所の人間を精神的に奮い立たせるためには、まず未来に目的をもたせなければならなかった。
ヴィクトール・E・フランクル『夜と霧』みすず書房
結果として、グイドの考えたこのゲームは
ジョズエだけでなく自分自身に対しても
「未来の目的」を与えることになったのです。
息子の純粋な瞳を曇らせないため
嘘がバレないよう奮闘する父の姿。
そこには、命懸けの「愛」が燃え盛っていました。
1人の父親として心の底から素晴らしい。
そう思える姿がそこにはあったのです。
深み③:人生の節目で味わい直す「名作の深み」
正直に申しますと、私にはまだ子供を持った経験がありません。
グイドの親としての気持ちを
本当の意味では理解できていないのかもしれません。
だからこそ、結婚して子供を授かったときにこの映画をもう一度観てみたいと思いました。
今とはまったく違うメッセージを受け取るはずです。
そのとき私は一体どんな感想を抱くのだろうと
再び感想を書く日が待ち遠しいばかりです。

人生の節目節目で自身の変化と共に味わい直す。これもまた、名作の醍醐味ではないでしょうか。
マスターが愛する、今夜のワンシーン
私が最も心を揺さぶられたのは
収容所内でグイドとジョズエが
ドイツ兵に気づかれないよう所内放送を乗っ取るシーンです。
絶望的な状況下で、離れ離れになった妻ドーラに向けて
変わらぬ愛と息子の無事を知らせる。
この機転と行動力、そして何より深い家族愛に
自然と涙が溢れてきました。
自分を待っている仕事や愛する人間にたいする責任を自覚した人間は、生きることから降りられない。まさに自分が「なぜ」存在するかを知っているので、ほとんどあらゆる「どのように」にも耐えられるのだ。
ヴィクトール・E・フランクル『夜と霧』みすず書房
まさにグイドは、愛するジョズエを守るため
そして愛するドーラのために最後まで生き延びる道を選択し続けました。
本当に強い父親です。
どんな状況に陥っても
常に前向きで明るく饒舌で
なおかつ家族のことを一番に考えている。
このグイドのようなハートの強さを持ち合わせた
人間になりたいものですね。
この難役を演じ、監督・脚本まで務めたロベルト・ベニーニ。
「イタリアのチャップリン」と称される彼に
心からの拍手を。
グラッチェ!!
生きる美しさに、心を震わせたい夜に この一杯はいかがですか?
『ライフ・イズ・ビューティフル』は、甘く優しいだけの物語ではありません。
苦い現実を「愛」で飲み干す「強く、気高い」一杯です。
この心揺さぶる一杯は
特にこんなお客様におすすめです。
- 深く、揺るぎない家族愛の物語に触れたい方
- どんな逆境にあっても、ユーモアと希望を失わない人間の強さに感動したい方
- 「生きる意味」や「人生の美しさ」について、改めて考えるきっかけが欲しい方
観終えた後、きっと「人生(ライフ)」という言葉の重みと輝きを、再確認できるはずです。

▼ 『ライフ・イズ・ビューティフル』の予告編はこちら
お席のご案内(3つの鑑賞スタイル)
この名作を味わうには、いくつかの方法がございます。
お客様の鑑賞スタイルや「作品との向き合い方」に合わせて
3つの異なるお席をご用意いたしました。
ご自身にぴったりの方法で、この傑作と出会ってください。
スタイル①:「見放題サービス」で、今すぐ作品にアクセスする
『ライフ・イズ・ビューティフル』が
現在楽しめる主なサービスはこちらです。
| サービス名 | 配信形態 | 特徴 |
| U-NEXT | 見放題 | 作品数No.1。31日間の無料トライアルあり。 |
| Prime Video | 見放題 | プライム会員ならすぐにレンタル可能。 |
| DMM TV | レンタル | 新作アニメやエンタメに強い。 |

まずはご自身の契約状況をチェックして
今夜の一杯に選んでみてはいかがでしょうか。
スタイル②:「TSUTAYA DISCAS」で、作品をご自宅へ
「今チェックした見放題サービスでは、残念ながら『ライフ・イズ・ビューティフル』が見つからなかった」
「配信では取り扱いのない旧作も探している」
そんなお客様には
宅配レンタルサブスク【TSUTAYA DISCAS】
という選択肢もございます。
こちらは、ネットで作品を「定額リスト」に登録しておけば、ご自宅のポストにDVD/CDが届き、観終わったらポストに返却するだけのシンプルなサービスです。
今回ご紹介している「定額レンタル8」プラン(月額2,052円・税込)は
入会から30日間は無料でお試しいただけます。
「定額レンタル8」プランのサービス内容は以下の通りです。
- 「新作」「準新作」DVDは月間8枚までレンタル可能。
- 「まだまだ話題作」「旧作」DVDとCDは、月間8枚の制限はありません

通信環境を気にせず、ご自宅でゆっくりと作品世界に没入したい方は、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。
▼【TSUTAYA DISCAS】30日間無料お試しの詳細はこちら
※無料お試し適用は、「TSUTAYA DISCAS」の定額プランの利用開始時に「無料お試し」を利用したことがない方に限ります。(詳細は公式サイトをご確認ください)
※無料お試し期間終了後、通常料金で自動更新となります。
※30日間無料お試し期間中は「新作」はレンタル対象外となります。
スタイル③:「DVD/Blu-ray」で、この奇跡を「宝物」にする
「この心温まる作品は、やっぱり手元に置いて何度も浴びたい」
そうお考えのお客様には
「形あるディスク」(DVD/Blu-ray)を手に入れるのが一番です。

ぜひ、お客様の大切なコレクションに加えてみてはいかがでしょうか。
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もう一杯いかがですか?(あわせて味わいたい関連作品3選)
もし今夜の一杯を気に入っていただけたなら
この作品の味わいに連なる
素敵な一杯(作品)はいかがでしょうか。
関連作品①:原田マハ (2013) 『キネマの神様』文春文庫
冒頭でも少し触れましたが
私と『ライフ・イズ・ビューティフル』を引き合わせてくれた作品が
この『キネマの神様』です。
主人公の歩が、ふらっと入った名画座「テアトル銀幕」。
そこで「イタリアの感動名画 豪華二本立て」と銘打ち
『ニュー・シネマ・パラダイス』と『ライフ・イズ・ビューティフル』
が上映されていたんですよ。
私はそれを読み
『ライフ・イズ・ビューティフル』は観たことがないな。
一体どんな素晴らしいイタリア映画なのだろうと心躍らせながら
近所のレンタルショップへと駆け込みました。
名作との出会いはいつも突然にやってくる。
だからこそ、作品をめぐる冒険は
楽しくて仕方がないんですよね。
「映画館で映画を観ることの大切さ」を
原田マハさんの映画愛溢れる素敵な文章で味わえる。
そんな映画好き必見の1冊となっていますよ。

主人公の歩が父の映画日誌に触発されて感想を書いたように、本作を読んだ後、私も映画の感想を本格的に書き始めました。私をただの映画好きから脱皮させてくれた大切な作品です。
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関連作品②:『ニュー・シネマ・パラダイス』
『キネマの神様』の劇中で
「イタリアの感動名画 豪華二本立て」として上映されていた
もう一本の不朽の名作です。
舞台はシチリアの小さな村にある映画館「パラダイス座」。
映画に魅せられた少年トトと
心優しい映写技師アルフレードとの間に育まれる、世代を超えた友情と絆が描かれます。
映画への尽きることのない愛と、故郷へのノスタルジー、そして師弟の絆を描いた物語です。
映画が人々の人生にとっていかに大切で、かけがえのないものか…。
それを温かく、そして少し切なく教えてくれます。

映画史に残るあのラストシーンは、まさに「映画の神様」からの贈り物。映画を愛するすべてのお客様に捧げたい、珠玉の一杯です。
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▼ 『ニュー・シネマ・パラダイス』の予告編はこちら
関連作品③:ヴィクトル・E・フランクル(2002)『夜と霧』みすず書房
「心理学者、強制収容所を体験する」。
この冒頭の文章に私はものの見事に惹きつけられました。
著名な心理学者が綴った
あまりにもリアルな「強制収容所体験記」です。
彼は著書の中で
「与えられた環境の下で、いかに振舞うか。この人間としての最後の自由だけは誰にも奪うことはできない」ことを証明しました。
強制収容所での自分の体験をただ回想するのではなく
可能な限り客観視して描いているところが最大の特徴です。

本作のグイドの行動の背景にある「生きる意味」をより深く理解するための一助となる名著ですよ。
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お客様の心に、今すぐ逢いたい作品が訪れますように
私が紹介する素敵な作品たちに「今すぐにでも逢いたい」。
少しでも多くの皆さんに、そう思ってもらえるような記事をお届けしたい。
それが、この「名作BAR」のテーマです。
今夜の『ライフ・イズ・ビューティフル』
いかがでしたでしょうか。
どんなに過酷な現実があっても、愛とユーモア
そして「人生は美しい」と信じる心が、どれほどの希望を生み出すか。
それを教えてくれる一杯でした。

今夜ご提供したこの一杯が、あなたの心を潤し、人生を豊かにする「出逢い」となれば、マスターとしてこれ以上の喜びはありません。またのお越しを、心よりお待ちしております。
参考文献
- ヴィクトル・E・フランクル(2002)『夜と霧』みすず書房

